赤とんぼの巻

第2号コラム:2007年 9月 26日
吉岡明良 (東京大学大学院、エコカフェニュースレター編集委員)

夏から秋にかけて、私たちは多くの昆虫と出会うことになる。中でも憎き蚊の類には嫌ほど出くわすことになるのだが、その蚊を食べてくれるトンボも比較的出会いやすい昆虫の一つだろう。特に秋の訪れとともに増えてくる赤とんぼは季節の風物詩として昔から親しまれている。

だが、少し調べてみると、一口に「赤とんぼ」と言っても意外に多様な種類のトンボが含まれていることに驚かされる。最もよく名前を耳にするのはナツアカネとアキアカネの 2種だろう。前者は夏も人里に近い平地で過ごすのに対し、後者は一旦山地に移動し、秋に平地に戻ってくる、という習性がある。このことがそれぞれの名前の由来となっているようだ。胸の模様からこの 2種類は見分けることができるので興味のある方は調べてみてはいかがだろうか。この他にもよく見ることができる「赤とんぼ」として、ノシメトンボが挙げられる。このトンボは翅の先が黒いので遠くからでも先に挙げた2種類のトンボと見分けることができる。越冬できないのに、懲りずに毎年南方から北日本へと群れで渡ってくるウスバキトンボもよく見られる「赤とんぼ」の一つだろう。

しかしここ最近、最も代表的な赤とんぼであるアキアカネが減少していると言われている。その原因として温暖化や水田の管理の変化等が考えられており、あんなにたくさん見られる秋の風物詩も環境問題とは無縁でいられないようだ。これからは身近に見られる赤とんぼは何という種類なのか、これからどうなっていくのか、少し注意して見ておくといいかもしれない。

コノシメトンボ @赤城自然園
アキアカネ @高尾山
アキアカネ @尾瀬ヶ原

最終更新日:2012年 08月 16日
掲載/更新日:2007年09月26日 / 編集

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